私たちは毎年夏に、廿日市市吉和にある学習共同体吉和山荘に小学生たちと一泊して、夏の夜空を見上げ、星について学びます。学ぶというと堅苦しいですね。そう、白鳥座は十字架のよう・・こと座のベガとわし座のアルタイルが織姫さんと彦星さんだよ・・。さそり座の赤い一等星アンタレスはサソリの心臓のようだね・・・と話します。その間には銀河の淡い輝き。みんなは学校で既に習っているはずなのに声を上げて感動します。カシオペアや北斗七星・北極星も確認。子供たちの興味が絶頂になる頃に、あっ、流れ星!夜空に響く子供たちの歓声の向こうで、北の空の銀の匙は、星屑を拾おうとしているようです。
 何年か前、そんな夏の合宿の当日、残念ながら空は曇ってしまいました。すると入社して数年の若い先生が、真夜中、外に出ては何度も何度も夜空を見上げていました。きっと残念に思ったんでしょうね。子供たちにみせてやりたかったんですね。そして、その年の夏休みの講師の打ち上げ会の夜は、広島市内でもよく見えるきれいな星空。その先生は空を見上げて大きなのびをしながら「ああ、子供たちに見せてやりたい。」とつぶやいたのです。そうです、私たちは、子供たちの感動を大切にしています。